学習通信081001
◎金……
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c 世界貨幣
貨幣は、国内の流通部面から外へ歩み出るとともに、国内の流通部面で成長する価格の度量基準、鋳貨、補助鋳貨、および価値章標という局地的諸形態をまた脱ぎ捨てて、貴金属のもともとの地金形態に逆もどりする。
世界商業では、諸商品はそれらの価値を普遍的に展開する。
だから、そこではまた、諸商品の自立的な価値姿態が世界貨幣として諸商品と相対する。
世界市場においてはじめて、貨幣は、その自然形態が同時に抽象的$l間的労働の直接的に社会的な具現形態である商品として、全面的に機能する。
貨幣の定在様式はその概念にふさわしいものになる。
国内の流通部面では、ただ一つの商品だけが、価値尺度として、それゆえまた貨幣として役立つことができる。
世界市場では、二重の価値尺度、金と銀とが、支配する。
世界貨幣は、一般的支払手段、一般的購買手段、および、富一般(普遍的富=jの絶対的社会的物質化として機能する。
国際収支の差額を決済するための、支払手段としての機能が、〔他の機能に〕優先する。それゆえに、重商主義のスローガンは言う──貿易差額を!と。
さまざまな国民のあいだにおける素材変換の従来の均衡が突然擾乱されるたびに、金銀は本質的に国際的購買手段として役立つ。
最後に、金銀が富の絶対的社会的物質化として役立つのは、購買も支払いも問題ではなく、一国から他国への富の移転が問題である場合であり、しかも、商品形態によるこの移転が、商品市場の商況か、あるいは、所期の目的そのものによって、排除される場合である。
(マルクス『資本論』A 新日本新書 p242-244)
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貴金属、値動きに差
金 8月末比7%高に
白金 景気懸念で売られる
未国の金融市場の混乱をきっかけに、同じ貴金属でも金が騰勢を強める一方、プフチナ(白金)の上昇カは弱く、値動きの違いが目立ってきた。金融危機は安全資産としての金にとっては買い材料となる一方、景気後退懸念で工業用素材の側面が大きいブラチナには売り材料となっている。
ニューヨーク市場で、九月二十九日の終値は金が八月末を七%上回るのに対し、プラチナは一〇七五・四jと一八%も上回る。
金は十七日には、前日比一トロオンスフ行七〇・一j(九・〇%)高と過去最大級の上げ幅を記録した。一方でプラチナは一七・八j(一・七%)高にとどまった。
プラチナは金とは異なり、通貨としての性質を持たない。需要の半分以上を自動車排ガス触媒が占め、工業用素材としての側面が大きい。このため、金融危機による景気減速懸念が売りにつながった。
株式などからの逃避資金が一時はプラチナにも向かったが、金に比べると資金流入の勢いは弱かった。金に比べると、流動性が低いため、株安などでリスクが取りにくくなった投資家は買い意欲が低下しているようだ。
(「日経」20081001)
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◎「プラチナは金とは異なり、通貨としての性質を持たない」と。