学習通信060227
◎「グローバル化」……

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 ブルジョアジーは、世界市場の開拓によって、すべての国々の生産および消費を国籍を超えたものにかたちづくった。

ブルジョアジーは、産業の足もとから国民的地盤を取り去って、反動主義者たちをおおいに残念がらせた。

非常に古くからの国民的産業は絶滅されたし、なお日々に絶滅されている。

これらは新しい諸産業によって駆逐され、新しい諸産業の導入はすべての文明国民にとって死活問題となる。

これらの新しい諸産業は、もはや国内産の原料ではなくて、きわめて遠い地帯に属する原料を加工するものであり、またそれらの製品は、たんに自国内だけではなくて、すべての大陸で同時に使用される。

国産品によって満たされる古い需要の代わりに、きわめて遠い国々や地帯の生産物で満たされることを求める新しい需要が現われる。

古い、地方的および国民的な自足と孤立の代わりに、諸国民相互の全面的な交易、全面的な依存が現われる。

そして物質的生産においてと同様に、精神的生産においてもそうである。個々の国民の精神的産物は共同の財産となる。

国民的な一面性および制限性はますます不可能になって、多くの国民的および地方的な文学から一つの世界文学がかたちづくられる。

 ブルジョアジーは、すべての生産用具の急速な改善により、かぎりなく容易になった交通によって、すべての国民を、もっとも未開な国民をも、文明へとひっぱりこむ。

彼らの商品の安い価格は、ブルジョアジーがそれをもってあらゆる中国の城壁を粉砕し、未開人のもっとも頑固な排外心をも降伏させる重砲である。

ブルジョアジーは、すべての国民に、滅亡したくなければブルジョアジーの生産様式を自分のものにするように強制する。

ブルジョアジーは、すべての国民に、いわゆる文明を自国に取り入れるように、すなわちブルジョアになるように強制する。

一言で言えば、ブルジョアジーは自分自身の姿に似せて世界をつくるのである。

 ブルジョアジーは、農村を都市の支配に従属させた。

ブルジョアジーは巨大な諸都市をつくりだし、都市の人口の数を農村のそれに比べてはなはだしく増加させ、こうして人口のいちじるしい部分を農村生活の無知な状態から引きはなした。

ブルジョアジーは、農村を都市に依存させたように、未開および半未開の国々を文明諸国に依存させ、農業諸国民をブルジョア諸国民に、東洋を西洋に依存させた。

 ブルジョアジーは、ますます、生産手段、所有および人口の分散をなくする。

ブルジョアジーは、人口を密集させ、生産手段を集中し、そして所有を少数者の手に集積した。

この必然的な結果は、政治的な集中であった。

異なる利害、法律、政府、および関税をもち、ほとんどただ連合しただけの独立した諸地方が、一国民、一政府、一法律、一国民的階級利害、一関税線に結集された。
(マルクス、エンゲルス「共産党宣言」新日本出版社 p55-57)

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 第二は、日本の政治を国内の力関係だけで孤立的に見るのではなく、世界の流れを広い視野で見通し、日本の政治をそのなかで発展的に位置づけることです。

いま世界を考える時に、「グローバル化」という言葉がよく言われますが、これは、超大国への言いなり政治や追従外交をよしとするものではありません。

今日の世界は、地球上のすべての国ぐにが、政治・経済・文化の生きたつながりで関連しあっている世界であり、世界的な発展の大きな流れ、とくに近隣諸国との友好関係を無視しては、自分の国の発展的な前途を保障することはできません。

ここに、この言葉のもつ重要な意味があります。たとえ、世界で最大最強の経済力、軍事力を誇る超大国であっても、その例外ではないのです。

 そして、党綱領の世界論が、世界の構造的な変化と新しい発展の流れを解明する指針となりうることは、すでに無数の事実によって証明されています。

 わが党の新しい綱領は豊かな内容を多面的に持っていますが、この二つの点に、情勢をとらえる新しい視野を大きく開いた党綱領の重要な内容があることを、あらためて強調したいと思います。
(「しんぶん赤旗」2006.1.12)

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◎「一言で言えば、ブルジョアジーは自分自身の姿に似せて世界をつくるのである」と。