学習通信040526
◎「死ぬまで働く……」
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「死ぬまで働くことは、婦人服仕立女工の作業場ばかりでなく、幾千もの場所において、それどころか商売が繁昌しているどの場所においても日常茶飯事なのである。
……鍛冶屋を例にとってみよう。もし詩人たちの言うことを信じてよいのであれば、鍛冶屋ほど元気で愉快な男はいない。彼は早く起きだして、太陽ののぼるまえに火花を打ち出す。彼はほかのどんな人間よりもよく食い、よく飲み、よく眠る。
労働が適度であれば、純粋に肉体的に見て、彼は実際に人間の最良の状態の一つにある。しかし、われわれは、この男のあとについて都会へ行き、この頑丈な男に負わされる労働の重荷を見、彼がわが国の死亡率表のなかでどのような位置を占めているかを見てみよう。マリルボン」(ロンドンの最大市区の一つ)「では、鍛冶屋は年に1〇〇〇人あたり三一人の割合で、すなわちイギリスの成年男子の平均死亡率よりも一一人多く死んでいる。
人間のほとんど本能的な一技術であってそれ自体としては非難すべき点のない職業が、単に労働の過重というだけのことで人間の破壊者になる。
人間は、毎日、何度かハンマーを打ち、何歩か歩き、何回か呼吸し、どれほどかの量の仕事をやりとげ、そして平均してたとえば五〇年生きることができる。彼は、毎日、何度かより多くハンマーを打ち、何歩かより多く歩き、何回かより多く呼吸し、全部を合計して毎日四分の一だけ生命の支出を増やすよう強制される。彼はそれをやってみる。
そしてその結果として、彼はある限られた期間内に四分の一だけ多くの仕事をやりとげ、五〇歳ではなく三七歳で死ぬことになる」。(リチャードスン博士「労働と過度労働」。所収「社会科学評論」1863年7月18日号)
(マルクス著「資本論A」新日本出版社 p438-439)
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過労死157件、なお高水準
昨年度 労働環境の悪化背景
働き過ぎが原因で脳・心臓疾患で死亡する「過労死」で労災認定を受けた件数が、二〇〇三年度は過去二番目に多い百五十七件だったことが二十五日、厚生労働省の調査で分かった。労働環境の悪化などを背景に過去最多の百六十件だった○二年度と同水準に高止まりしており、うつ病などの精神障害の認定も百八件と過去最多を更新した。
一方、仕事上のストレスが原因でうつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などになった「精神障害」の労災請求は同二八・四%増の四百三十八件。認定件数は同八・〇%増の百八件で、いずれも過去最多を更新した。`
うち自殺の認定件数も四十件で、○二年度の四十三件(未遂含む)に次ぐ多さだった。認定者のうち職種で最も多かったのはシステムエンジニアなどの専門技術職で、年代は三十歳代が最多だった。
過労死弁護団全国連絡会議の幹事長を務める川人博弁護士は「リストラの進展で、過重労働の実態は依然、深刻な状況が続いている。労働時間の証明が困難などの理由で申請しても労災が認められないケースも多い」と指摘する。
厚労省は労災申請後、六ヵ月以内を目標に決定の可否を判断する方針を決めた。○一年に労災の認定基準を緩和した影響で○二年度から申請、認定件数ともに増加傾向にあることから、迅速な決定で遺族・関係者らの早期救済につなげる狙い。○三年度の脳・心臓疾患の労災認定にかかった時間は平均八ヵ月、精神障害は十ヵ月だった。
(日経新聞 040526)
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◎「死ぬまで働くことは」その背後にあるものを見抜こう。